転職(2)

厚志が尋ねた。

「転職しようと考えたきっかけは?」

「色々あるけど…

直接の引き金は

去年の人事異動かな」

「随分、前の話だな」

「ああ」

「去年一年間新しい仕事をやって、気持ちは変わらなかったんだな」

「そういうことだな」

「今の仕事は合わないか?」

「それはどうかな」

厚志は首をかしげて

「分からないのか?」

「合う、合わないというより、自分の仕事として、やり遂げたいかどうかさ」

大吾の目は遠くを向いていた。
景色を見ていたのか、遥か遠い過去、いや、未来を見ていたのか、それは窺いしれない。

「若い頃なら、それも経験と開き直るか、新しいチャレンジと決めて取り組めばいい。

でも、自分の強い所を活かしたい気持ちの方が強いんだ」

「若いね」

「ん?」

「家族もいりゃあ、生活もある。

それなのに、そんなリスクがある転職を選ぶだなんて」

「青いか」

「いいや。

夢に向かっている姿が若いんだよ。

羨ましいね」

人は誰しも夢を持っている。それが具体的に見えていない人もいるが、年と共にだんだん見えるようになってくる。

大吾は、今、そう確信している。

(この話はフィクションです。続き)

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