転職(5)

大吾は1年前のことを振り返った。

そう、それは、3月初旬の出来事だった。

あの日以来、「今日」という日が来ることを予想していないわけではなかった。
あの時の人事異動発令は、二つの意味で衝撃だった。

一つは何の前触れも説明もなく、異動の発表があったこと。

会社勤めの身である以上、会社の決めたことに逆らえないことは十分承知している。

だが、その内容を伝えられるプロセスがどうであるかは、大事なことである。

その日に受けた衝撃は、会社や上司に対する信頼というか、愛着といった気持ちを、不思議なほど綺麗に消し去ってしまった。

そして、二つ目は、異動先の仕事に対して、未来のやりがいを感じなかったことである。

一つ目の理由は多分に感情的なものだ。
だから、時間が立てば忘れていくものだったかも知れない。

しかし、こちらの方は、自分のこれからの将来に関わることである。

その絶望感、そして、そこに追い込まれた無念さは時間が立っても弱まることはなく、むしろ、気持ちの中ではどんどん大きく広がっていった。

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